アラサー会社員の子育て、日常、あと妄想(仮)

このブログはアラサーで二児の父である普通の会社員が、日常や偶に妄想を徒然なるままに綴るブログです

「大人になる事」について思案した話。あとバスとか

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個人的な話で恐縮ですが先日美容室に行きました

 

その美容室は髪を切ってもらえるだけでなく、代金を払えば肩もみや肩甲骨周りのマッサージを受ける事が出来ます

 

さて、そのマッサージを美容師さんから施術してもらいながらふと頭をよぎった事がありました

 

大人になるってなんだろう?

 

そういえば先日、五歳になったばかりの娘に指を指されながらこう言われました

 

「お父さんとお母さんは私より早くおじいさんおばあさんになるの。だから私はお父さんお母さんより長生きなの。いいでしょ」

 

痛烈です。しかし、語彙力乏しい私は「さようですか」という答えしか持ち合わせていませんでした

 

「大人になるってなんだろう?」という禅問答というか哲学というか、考えても答えが堂々巡りするような問題がよぎったのは、この娘の言葉に少しは原因があるかもしれません

 

大人になれば見える世界が大きく変わる

 

見える世界が変われば、自分も大人のように小難しい話を人に披露したり、いろんなことを正しく判断できたり・・・

 

まあそんな大人っぽいすごいことができるようになる

 

子どもの頃はそう信じてやみませんでした

 

年齢という、バスで言うなら停留所である区切りを一つ過ぎるたびに窓から見える景色は変わっていきます。それとともに座席に座る私も成長するのです

 

しかしバスの車窓から見える景色は、まるで高速道路を走っているかの如く、乗車した時から一切変化を見せませんし、座席に座る私はいつまでも稚拙でした

 

いや、少しだけ見える景色が変わったとすれば、加齢による影響で視力が悪くなり視界不良のぼやけた景色しか見えなくなったことでしょうか?

 

揉み加減は如何ですか?

 

マッサージをされながら美容師さんに聞かれました。私は「大丈夫です」と答えました

 

多少痛かったとしても、このような質問には「大丈夫です」と答えてしまう自分がいます

 

これは子どもの時に通っていた歯科での経験に起因します

 

虫歯をドリルで削られながら「痛くないですかー?」といわれたので、正直に「痛い」と答えたところ、「もう少し我慢してくださいねー」とそのまま施術されたことがトラウマとして根付いています

 

正直に「痛い」と言っても受け入れてもらえない、子どもながら大人の理不尽さを痛感した瞬間でした

 

さて「痒いところはないですか?」という、美容室では100人中90人以上が聞かれるであろうシャンプー中の常套文句

 

痒いです

 

と言い続ければ、痒いと思われる場所を美容師さんは延々とシャンプーしてくれるのでしょうか?

 

美容師さんから施術されるシャンプーはとても気持ちがよいものです。永遠に続くかのような快楽を味わえるのであれば「痒いところがあります」と答えてみるのもまたいとをかし

 

しかしそれだけの快楽が待っていると分かっていても言えない「痒い」の三文字。その三文字はとても重くとても尊い

 

耳を澄ますとセミのなき声が聞こえました。子どもの頃はセミの声を聞くと、楽しい夏休みの到来を予告しているかのようで、自然と心が踊っていていたのを思い出します

 

でも、そのセミの鳴き声も、今ではただの事象でありバスの窓の外を定期的に通りすぎるモノの一つでしかありません

 

ああ、歳をとっても見える景色は変わっていない。でも年齢という停留所を過ぎるたびに感じ方や捉え方が変わってきている

 

窓の外を通り過ぎる景色は、まず目に入り、しかし脳を迂回せずそのままもとあった場所へ置き去りにしていく。私には何も残らない

 

自分が本当にすべきこと。それは「大人」というぼんやりとした概念を目指して進むのではなく、セミの鳴き声に気持ち高ぶり、心踊っていた童心に帰る事なのかもしれない

 

そう思った夏の一日

 

 

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