サラリーマン狂騒曲「なまごろしのしゅうまつ」
これはとあるアラサー会社員を襲った、妄想空想一切なしの実在の物語である
2019年3月8日(金)16:00頃
お客様と商談を重ねていた商品について発注をいただく。しかも結構まとまった金額である
アラサーという、会社によっては中堅とも扱われるようなこの年齢で始めて就いた営業の仕事
こうしてお客様との信頼関係を築きながら、売上を上げていくという営業の醍醐味を感じたひと時であった
何にせよ、週の最後である金曜日にこのような動きがあった事は朗報であり、本日は祝杯でもあげて、素敵な土日を過ごすことにしたい
2019年3月8日(金)18:30頃
仕事も終わり保育園に子どものお迎えへ
これから始まるであろう素敵な週末に胸を躍らせる
スーパーでビールなんかも買ったりする。祝杯をあげる準備はばっちりである
ちなみに本日は嫁さんは用事で不在なので、晩御飯は私の当番である
お酒のつまみに手羽先なんかも焼いてみる。さらに祝杯をあげる準備も整った
そういえば、今日はあの話題の映画「カメラを止めるな」の地上波初放映日である
私がかねてより見たかった映画である
「子どもたちが寝た後に、お酒でも飲みながらゆっくり見よう」
この金曜日の夜を骨の髄までしゃぶりつくしたい
そう考えた夕の刻
2019年3月8日(金)19:00頃
ビールを飲みながら子どもと談笑
本当に幸せな時
この時間が永遠に続けばいいな・・・
そう思っていたその刹那、今回商談がまとまった商品の仕入れ先からの電話
その商品は納入できないとの連絡
お客様が渇望したその商品
それは絶対に納入できないという連絡
頭の中が真っ白になる
原因は私の最終の確認漏れ
私のミスである
こんな日に限って、私を正気に戻してくれる嫁さんは不在
前言撤回である。こんな時は永遠に続くべきではない
むしろ時を戻してほしい
そうと分かればすぐにお客様と連絡をとりたいものの、お客様と連絡が取れるのは次の月曜日であるという状況
つまりお客様に、「渇望した商品」ではなく「悲報」という名の望まないものを、月曜日の朝一の時間指定でお届けしなければいけない訳である
浮かれた週末から一転、この土日の何とも落ち着かない生殺しのような終末・・・、いや、週末が確定した瞬間であった
2019年3月8日(金)20:00頃
とりあえず、文明の利器である「ついったー」なるものでツイートをしてみる
仕事が終わり家に帰ったあとに、お客様が発注した商品が納品できない事が発覚
— takettyun(アラサー会社員)@はてなブログ (@takettyun) 2019年3月8日
しかもお客様が渇望していた商品
でもお客様と連絡が取れるのは月曜日
素敵な土日のホリデーうっひゃーのはずが、この土日の生殺し感が半端ないよね(*´ー`*)
皆さま、良い週末を(*´ー`*)
まあ、せめてもの慰めである
私の少し暗い顔を見たからか、その心境を察してなのか理由は定かではないが、娘がパンツ一丁でUSAを歌い踊りだす
残念ながら、今の私には何も映らない
白目でパンツ一丁のUSAを眺める事しかできなかった
2019年3月8日(金)20:30頃
私は来るべき月曜日のために、謝罪と土下座のシミュレーションを行った
しかし、娘のUSAはまだ続いていた
かもんべいびーあめりかっ!!!!!!!!!
私のシミュレーションを、娘のUSAが邪魔をする
このままでは月曜日にお客様の前で、パンツ一丁でUSAを踊りかねないので、シミュレーションはやむを得ず中断することとした
2019年3月8日(金)21:00頃
子どもが寝る間際に絵本を読んで欲しいとねだる
私は子どもたちに絵本を読んであげる事にした
これで少しは気もまぎれるかもしれない
読んだ絵本は「シロクマくつや」
ネタバレになるので詳細はあまりお伝えしたくないが、クマさんがいろいろと頑張って、巨人のこどもに素敵な靴を納品(プレゼント)するのである
読み進めるごとに悲しくなった
ああ、このシロクマたちは頑張って、素敵な靴を納品したのに、私ときたら・・・
何か目元からツーっとほほの方にかけて、何かが流れ落ちる気がした
でも気のせいだった
私は絵本を読み終えると、頑張って笑顔を作って娘にこういった
「おやすみ!いい週末を!!」
私ができうる最高の作り笑いだった
皆様も最高の週末を!!